仏教に学ぶ“怒り”との付き合い方〜「怒りたくなる時こそ、心を育てるチャンス」〜

アイキャッチ画像_アンガーマネジメント 教育

はじめに:今日も怒っちゃったな…と思ったあなたへ

しょんぼりしているいちいくさん

子どもが思い通りに動かないとき、ついカッとなってしまう。
「なんで何度言っても分からないの!?」「こっちは忙しいのに!」
そんなふうに怒ってしまって、あとで自己嫌悪になる…私もよくあります。

でも最近、仏教の考え方を知ってから、ちょっとだけ気持ちの持ちようが変わってきました。
今回は、「怒り」とどう付き合えばいいのかを、仏教のやさしい言葉をヒントに考えてみます。


怒りは悪者じゃない。でも、燃え広がらせないことが大事

仏教では、怒りは「心をにごらせる三つの感情(※三毒)」の一つとされています。
でもそれは、「怒るな」と言っているわけではありません。

実は怒りは、自分の中にある「こうあってほしい」「こうしてほしい」という願いがうまくいかなかった時に出てくる、自然な反応です。

● おもちゃを片付けてくれない
● 何度も注意したのに、また同じことをする
● 弟や妹に乱暴する

こんな時にモヤモヤした気持ちが出てくるのは当然。
でも、そこに火をつけてしまうと、怒りの炎は一気に燃え広がってしまいます。


怒りの火を大きくしない「6秒ルール」

心理学でも有名な“6秒ルール”は、仏教の「怒りの火」に通じる考え方。
怒りのピークは約6秒。つまり、その6秒をやりすごせれば、冷静な自分を取り戻せる可能性がぐんと上がるんです。

🔥 6秒やりすごす方法:

  • 深呼吸を3回してみる

  • 心の中で「今、怒ってるな」と言ってみる

  • その場からちょっと離れる(洗面所に行く、コップに水を入れに行くなど)

仏教では、怒りをグッとこらえることを「忍辱(にんにく)」と呼びます。
これはただ我慢するのではなく、「心を平らに保つこと」。
怒りにのまれない力を少しずつ育てていくのがポイントです。


叱る前に、「どうしてほしかったか?」を思い出す

僕たちが本当に伝えたいのは、「どうしてそんなことするの!?」ではなく、
「こうしてほしかったんだよ」という願いの方じゃないでしょうか?

❌ 怒りにまかせた叱り方:

「また片付けてない!いいかげんにして!」

⭕ 気持ちを伝える声かけ:

「おもちゃは使い終わったら棚に戻してね」
「今は寝る時間だから、電気を消そう」

怒るのではなく、“どうしてほしかったか”を冷静に伝える。
これって、親も子どもも気持ちがラクになる方法なんです。


怒ってしまったあとも、大事な時間

もちろん、私たち親だって人間です。どんなに意識しても、怒ってしまう時はあります。
そんな時は、あとから素直にフォローしてあげることも大切な時間になります。

✅ 怒ったあとの声かけ例:

「さっき怒りすぎちゃった。ごめんね」
「パパもイライラしてたけど、あなたのことが大事だから伝えたかったんだ」

仏教では、「気づいた時が修行の始まり」と言います。
怒ったことを責めるのではなく、「どうすればよかったかな?」と一緒に考えることが、親子の信頼を育ててくれます。


おわりに:「育児は育自」── 子どもと一緒に、心を育てる

子どもを育てるということは、実は自分自身の心を育てることでもあります。
「こうすればよかったのか」「今回はちょっと冷静にできたな」
そんな小さな気づきの積み重ねが、親としての自信にもつながっていきます。

育児って、自分を育てることでもあるんですね。
正に、“育児は育自”。

怒りの感情は、なくすことはできなくても、上手に付き合うことはできます。
少しずつ、できることから。一緒に育っていきましょう。

コメント